10月28日(金)2022ユリ新品種命名式
2022年10月28日(金)駐日オランダ王国大使館大使公邸に於いて、3年ぶりのリアルイベント『2022ユリ新品種命名式』が行われました。
歓迎の辞
駐日オランダ王国大使 ペーター・ファン・デル・フリート閣下より歓迎のスピーチで始まりました。
「ご来場の皆様、秋が深まる中、本日、皆様を大使公邸にお迎えすることができますことを家内のジョーン共々、誠にうれしく思います。突如、新型コロナウィルス感染症が発生してから 3 年ぶりに今日こうして、国内各地ならびにオランダから遠路遥々から一堂に会した皆様とお会いできまして胸がいっぱいです。
思い起こせばコロナ禍においても、リリー・プロモーション・ジャパンはオンラインとは言え、実に充実したキャンペーンの数々を展開されてきました。2020 年の 10 月、私は、新種のユリを小平奈緒スピードスケート選手に因んで「Kodaira」と命名する栄を賜りました。鮮やかなオレンジ色の「Kodaira」ユリは、今年の 5 月に日本国内での販売が始まり、5 月 30 日にここ公邸でユリの贈呈式を執り行い、デニーズ・ルッツ農務参事官から小平選手とご両親にユリの球根と花束が手渡されました。そして先週土曜日、家内と私は、長野市内の「エムウェーブ」で小平選手の現役最後の レースとなるスピードスケート女子 500 メートルを観戦してきたばかりです。頂点を極めた小平選手が、最後のレースでも見事に金メダルを手にし、有終の美を飾る姿にたいへん心を動かされました。このようなイベントがメディアに取り上げられることによって、日本でのオランダ産の特別なユリについての知名度が向上しています。大使館にも「Kodaira」ユリはどこで買えるかという問い合わせが来たくらいです。
小平選手の引退セレモニーでは、「Kodaira」ユリの花束をサプライズで手渡す役を仰せつかり、最高の瞬間に立ち会うことができました。この特別な演出に向け、栽培にご協力くださったアイバルブジャパン、輸入業者の方々、3 名の生産者の方々にこの場をお借りし、お礼を申し上げます。私ども大使館職員は、花の力を借りて、両国の人々の絆を強めたく、こうしてユリの販売促進キャンペーン活動に関われることを常々うれしく思っております。
2021 年、「Lovelily eBook」が刊行の折には、ルッツ農務参事官とともにお祝いの動画メッセージを寄せる機会をいただきました。「Lovelily eBook」はユリの魅力が満載のデジタルカタログであり、デザインの参考となる電子書籍でもあります。今後も続編が刊行されることを願ってやみません。さて、19 世紀末の明治時代、ユリは日本にとって重要な輸出品目でしたが、今から 5、60 年前、立場が逆転し、オランダがユリの輸出大国として台頭し、やがて日本にユリを輸出することとなります。
そして、今から 30 年以上前の 1990 年、オランダ産ユリの日本への輸入が解禁となりました。今日、オランダ、フランス、ニュージーランドとチリの 4 か国が日本にユリを、通年で、安定的に供給するに至っています。
球根は、オランダにとって主要輸出品目の一つです。日本で流通するユリ球根の 7 割はオランダ産です。これにフランス、チリ、ニュージーランド産の球根を足すと市場占有率は 9 割にも達します。今日は、フランス大使館とチリ大使館のご担当者にもご出席いただいております。
オランダのユリ球根業界にとって日本は重点市場の一つです。なぜならば、日本では、新しい品種や、珍しい品種への関心が極めて高いからです。さて、新しい品種といえば、まもなく、日本とオランダ両国で名の知れた著名人に因んだユリの新品種名が発表されると思うとドキドキいたします。
今、世界は、ポストコロナ時代を迎えているだけでなく、ウクライナ戦争の余波、気候変動による影響など数々の困難への対応を求められています。そのような時にこの新しいユリが両国の人々の心に明かりを灯す存在になることを切に願います。
新しいユリ品種が成功を博し、人々の生活のうるおいとなるよう、ここにご参集のユリ球根および切り花のサプライ・チェーンに従事される皆様が、結束されますことを祈る次第です。どうぞ、これより楽しいひと時をお過ごしください。後ほど歓談中にゆっくりお話しする機会を家内共々楽しみにしております。
さて、最後となりましたが、今日ここにいらっしゃる皆様の益々のご健勝をお祈りするとともに、大使館とともに、今日の命名式の実現に向け、多大なるご尽力をいただき、会場を見事な ユリで飾ってくださったリリープロモーションジャパン代表の金藤公夫様、コーディネーターのレン・オークメード様に特別に謝意を表し、私の歓迎の挨拶に代えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」
ご来賓ご挨拶
2022ユリ新品種命名式
小野伸二選手からのメッセージ
BOTANICAL PHOTO AWARD最優秀賞受賞者発表
2021年最優秀賞の齊藤哲裕さん 2022年最優秀賞君成田隆志さんに賞状とトロフィーが(株)誠文堂新光社の大関真哉さまより授与されました
乾杯のご発声
(一社) 日本花き生産協会 球根・切花部会長 豊島正人さまより乾杯のご発声
お庭で記念撮影
BOTANICAL PHOTO AWARD 優秀者によるミニデモンストレーション
BOTANICAL PHOTO AWARD 2021年最優秀賞の齊藤哲裕さん、2022年最優秀賞君成田隆志さん、そして優秀賞の平出美樹さん3名によるミニデモンストレーション
歓談
閉会の挨拶
ご来場の皆様、宴たけなわの中、この楽しい会をお開きにすることは気が引けますが、残念ながら閉会の時間が来ました。
本日は、サッカー界のスター小野伸二選手に因み「Shinji Ono」と命名された新品種のお披露目式に、日本国内各地から、そして遠くオランダからご参集いただき、誠にありがとうございました。
3 年間のブランクを経て、今日、この毎年恒例の良き伝統を蘇らせることができました。このユリのイベントは、ユリのサプライ・チェーンに携わるすべてのステークホルダーにとって業界が直面する諸課題や、日本でのユリの販売促進に向けて意見を交わす重要なプラットフォームとしての役割を担ってきました。
「Kodaira」の知名度が日本国内で広がっていくのを目の当たりにすると、新品種「Shinji Ono」の販売促進効果は絶大と思われます。北海道コンサドーレ札幌所属選手として多忙な日々を送られている小野伸二選手が、今日の命名式に際し、心温まるメッセージをお寄せくださったことに対し、本日の主催者である大使とともに厚くお礼申し上げます。小野伸二選手がクラブチーム「フェイエノールト」を 2002 年UEFAカップ優勝に導いたときにサポーター達の心を熱くしたように、鮮やかな赤い花を咲かせる「Shinji Ono」がユリ業界に熱い息吹を吹き込むことを信じてやみません。
パンデミックが猛威を振るった 2020 年に命名された「Kodaira」ユリのように、「Shinji Ono」もまた、オランダと日本の結束の力を、消費者に示す重要な任務を果たし、ユリ産業に携わる関係者の皆様の結束を促す、希望のシンボルとなるでしょう。
そして、ここ大使公邸の庭が、春に満開となるチューリップに加え、多くの特別なユリの花に囲まれたらどんなに素晴らしいかと思いを馳せております。庭にはすでに「Kodaira」ユリが植えられています。近い将来「Shinji Ono」が仲間入りし、先々、さらに多くの新品種のユリが加わることを祈っています。
さて、最後となりましたが、ユリの命名式、Lovelily 電子書籍と、次から次へと発想豊かなイベントを立ち上げ、ユリの販売促進に弛まずご尽力されているリリー・プロモーション・ジャパンに感謝の気持ちを伝え、本日の命名式を、これをもって閉会とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
Lovelily Red
定番の白ピンクをベースに
隔年でテーマカラーにスポットを当ててカラフルなユリを紹介しています
2021-22年はLovelily Orange
2023-24年はLovelily Red
オレンジのLAユリ「Kodaira」の球根が日本に導入され切り花として流通し始めたように、赤のLAユリ「Shinji Ono」が流通する日を楽しみにしたいと思います
[Photography] Keita Sawa